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1964年から1966年、デヴィッド・ボウイは不遇の時期を送っていました。
キングビーズ、マニッシュ・ボーイズ、ロウアー・サードといったバンドを作っては解散、名義もデイビー・ジョーンズからデヴィッド・ボウイに変えています。
このような苦労のあった時期にしては、このコンピレーション・アルバムに収められた楽曲は明るいものが多く、後のデビューアルバムよりも聴きやすいものがそろっています。
エルビスが好きな方にも受け入れられるのではないでしょうか?
デヴィッド・ボウイの出発点を網羅したコンピレーション
初期のデヴィッド・ボウイを知る上で、重要なコンピレーションが1991年にRhinoから発売された「Early On (1964-1966)」です。
発売当時、1964年から1966年の未発表曲やデモの全てが収録されていて、ファン必携のアイテムでした。
デヴィッド・ボウイのオールディーズには全くと言っていいほど違和感がありません。
DERAMのデビューアルバムよりこちらの方が一般ウケしそうです。
ここでしか聴けない楽曲もありますので、廃盤になってしまったことが残念です。
※2023.7現在 廃盤
収録曲
収録曲は以下の名義での6枚のシングル集です。
65年収録のデモ音源など初だし音源を5曲含んでいます。
- デヴィッド・ジョーンズ&ザ・キング・ビーズ(デッカ/ヴォカリオン・ポップ)
- マニッシュ・ボーイズ(パーロフォン)
- デイヴィー・ジョーンズ(パーロフォン)※デモ音源等 5曲を含む
- デヴィッド・ボウイ・ウィズ・ザ・ロウアー・サード(パイ)
- デヴィッド・ボウイ・ウィズ・ザ・バズ(パイ)
- デヴィッド・ボウイ(パイ)
収録曲は発表順に並んでいます。
- Liza Jane(Davie Jones with The King Bees)
- Louie, Louie Go Home(Davie Jones with The King Bees)
- I Pity the Fool(Mannish Boys)
- Take My Tip(Mannish Boys)
- That’s Where My Heart Is(Davy Jones)
- I Want My Baby Back(Davy Jones)
- Bars of the County Jail(Davy Jones)
- You’ve Got a Habit of Leaving(Davy Jones)
- Baby Loves That Way(Davy Jones)
- I’ll Follow You(Davy Jones)
- Glad I’ve Got Nobody(Davy Jones)
- Can’t Help Thinking About Me(David Bowie With The Lower Third)
- And I Say to Myself(David Bowie With The Lower Third)
- Do Anything You Say(David Bowie with The Buzz)
- Good Morning Girl(David Bowie with The Buzz)
- I Dig Everything(David Bowie )
- I’m Not Losing Sleep(David Bowie )
※()内は発表名義、太字はシングル発表曲
今聴いても聴き応えは十分です。
このアルバムの「Liza Jane」と「You’ve Got A Habit Of Leaving」はデヴィッド・ボウイのベストアルバム「Nothing Has Changed」に収録されています。
Youtube試聴(Liza Jane)
関連アルバム
Toy
前述のデヴィッド・ボウイ生前最後のベストアルバム「Nothing Has Changed」以外にも、初期のボウイの曲を収めたものがあります。
それが未発表アルバム「Toy」です。
「Toy」はトニー・ヴィスコンティーとの久々の仕事で、ボウイの初期作品のリメイクと新曲をあわせたアルバムだったのですが、レコード会社によって発売を延期(拒否?)されてしまいました。
そのアルバム音源は2001年頃、ネットに流出しました。
その後、正式な(未発表)アルバムとして2022年1月に発表されています。
「Early On?」に収録された曲は以下の4曲が「Toy」でも取り上げられていました。
Toy収録曲
- Liza Jane
- You’ve Got a Habit of Leaving
- Baby Loves That Way
- I Dig Everything
「Toy」の曲はいずれも素晴らしい仕上がりになっています。
この「Toy」と比べる意味でも「Early On?」は見逃すことができないアルバムと言っていいでしょう。
I Dig Everything: The1966 Pye Singles
パイレーベルで発売された3枚のシングルは1つのコンピレーションアルバムで聴くことが出来ます。
それが「I Dig Everything: The1966 Pye Singles」です。
収録曲は以下のようになっています。
I Dig Everything: The1966 Pye Singles
- I’m Not Losing Sleep
- I Dig Everything
- Can’t Help Thinking About Me
- Do Anything You Say
- Good Morning Girl
- And I Say To Myself
全曲「Early On」とダブっていますので、「Early On」があれば、あえて購入する必要は無いでしょう。
※2023.7現在 廃盤
© lin
参考文献
- 『地球音楽ライブラリー デヴィッド・ボウイ』TOKYO FM 出版 、2004年。ISBN4-88745-098-2。
- デヴィッド・バックレー『全曲解説シリーズ デヴィッド・ボウイ』前むつみ・森幸子(翻訳)、株式会社シンコーミュージック・エンターテイメント、2006年。ISBN4-401-63026-2。
- 『CROSSBEAT Special Edition デヴィッド・ボウイ』株式会社シンコーミュージック・エンターテイメント、2013年。ISBN978-4-401-63809-3。
- 『KAWADE夢ムック 文藝別冊 総特集デヴィッド・ボウイ』株式会社河出書房新社、2013年。ISBN978-4-309-97795-9。
- パオロ・ヒューイット『デヴィッド・ボウイ コンプリート・ワークス』太田黒奉之(翻訳)、TOブックス、2013年。ISBN978-4-86472-202-4。
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